2010-03-04

常用漢字表改定

といふ新聞の記事があつた。3月1日付読売新聞13面。現在、常用漢字表の改訂作業が大詰めを迎へてゐる、と始まる。文化庁の文化審議会の国語分科会が去年の10月に第2試案といふのを出し、それに対する国民の意見を踏まへて答申を纏める、と説明がある。国民の意見をどう聞くのか、国勢調査みたいに全戸にアンケートでも送るのか、国民投票みたいなものなのか、どんな方法なのか聞いてみたい気がするが、どうせ適当に誤摩化して試案通り決まりました、とか言ふんだらう。こんなことが進められてゐることも知らなかつたのは、ふだん言葉についてあれこれ言ふのだから、不勉強では済まないぞ。
このことについて読売新聞は3人の意見を聞いてゐる。書家で京都精華大学教授の石川九楊氏、芥川賞作家の楊逸(ヤン・イー)氏、国語分科会漢字小委員会委員で改訂作業に直接かかはつてゐる京都大学教授の阿辻哲次氏の3人。この記事について考へよう。──とは言ふものの、考へるもなにも、こつちの意見はもう決まつてゐるんだから、ただの批判なのだ。
先づ、芥川賞作家の楊逸氏に意見を聞く理由がわからん。中国の人だよ。国籍は、いまどうなつてゐるか知らないけれども。国籍がどうでも、少なくとも日本語を母国語として使ふ人ではない。日常語として使ふとしても、だ。
それよりも先づ、かうした常用漢字、まへは当用漢字と言つてた漢字使用の制限について、一体どんな目的で制限しなくてはならないのか。もう一度おさらひをしてから始める。中国は簡体字にした経緯がある。ほかの国ではどうなのか。他人の意見を気にするみたいで厭だけど、例へば欧米で、そんな制限があるのだらうか。英語で、或はフランス語、ドイツ語、などなど。
どうやら識字率といふのがポイントらしい。