2013-07-04

ゆふべ見た不快なテレビ番組のこと

なにかの癌について、こんな風に医師が例へて言ふ。その患者について調査し、12時間以上の睡眠を摂つてゐる人と、7時間以内の睡眠時間の人とでは発症率が何%、或は何倍である、と。だから、睡眠時間は長くないはうがいい、7時間程度が望ましい、とも。
この比較はをかしいだらう。ランダムに選んだ(健康な人を含めた)人のうち12時間以上の睡眠を摂る人がどれくらゐゐて、7時間以内の人が何人ゐて、それぞれその癌の発症率を調べて比べなければ意味がない。
第一、原因がわからない病気について、公平性のない、選択された比較データなど全く信憑性がない。かういふ数字を医師が平然とテレビに出て発言する不快さ。治療を本来の目的とすべき医師が、不確かな数字を挙げて、不安をあふつてどうする。
似たやうな番組は最近特に増えてゐるが、これは最悪だつた。興味本位、面白半分で生死にかかはる病についていい加減なデータを並べて不安を募るやうな企画は没にすべきだらう。テレビ局にはさうした良心の欠片もないらしい。