2009-10-06

きのふの朝のことだ。

ウチの近くに横断歩道があり、──いや、そのまへに、旗振り当番の説明をしないと判らないかもしれない。小学生の子どもを持つ親は、学校からなのか、市の教育委員会から、それとも自治会からなのかしらないが、とにかく指定された場所で、黄色い横断中と書かれた旗を、かう、道路に差し出して子どもが渡りやすくする、といふ当番が土日祝日を除いた毎朝まはつて来る。
それできのふの朝だ。直ぐ近くの横断歩道で、学校へ行きたくない、と泣いてる子がゐた。男の子で、ランドセルに黄色いカバーがしてあつたので、一年生なのが判つた。旗振りをしてゐるお母さんたち(大抵2人)は、頑張つて学校へ行かう、と説得してゐるが、行きたくないよお、と声を上げて泣いてる。そのうちにどうやつて連絡したたのか、その子のお爺さん(にしては、若く見えたが、それだけオレがトシを取つただけなのか)がやつて来て、取り敢へず学校へ行かう、ずつと一緒にゐるから、と、ほぼさういふ意味のことを言ひ、どうにか子どもも納得したらしく、2人で歩いて行く姿が見えた。
しかし、声を振り絞って泣くほど行きたくないのなら、一日くらゐ休ませたつて、いいぢやないか。なにか深いワケがあるかもしれない。ゆつくりそのワケを聞いてやり、明日行けばいい。──さう考へてしまつたのだが、これつて甘いのかなあ。
こないだ小学三年生の男の子を殺した15歳の少年の記事を見たせゐか。ごめんなさい、つて謝まつてる(ホントは謝る理由なんかない)のにボコボコにして、川だつたか海だつたかに放り込む、その神経、更には取り巻きがゐて笑つてた、といふ証言、9年か10年しか生きてないのに、どんな思ひだつたか、痛いよ、泣きたくなるね、──だから、なにかとんでもなくイヤなことがあるのかもしれないぢやないか。ゆつくり聞いてからでもいいんぢやないか。遅刻したつて、いいさ。
甘いのかなあ。それとも、大袈裟に考へてるのかなあ。