指先と爪先

アランがどこかに書いてゐた。戦争での体験で、靴を履いてゐたはうがよく眠れるといふ話。爪先が靴に隠れてゐるからだ、と。そんな意味のことが書いてあつた気がする。
爪先。足は爪先。手は?
手は指先だ。おんなじところを指してるのに呼び方が違ふ。手の指の先は爪先とは絶対に言はない。足の指の先は絶対に指先とは言はない。なぜだ。
ほかにもかういふ区別してることがあつたやうな気がするが、思ひ浮かばない。
さうだ、手の平と足の裏。手の裏とは言はないのに足の裏と言ふ。足の平とは言はない。
手と足とを差別してゐる。差別はよくない。けど、違和感がある。
関係ない話だが、扁平足は「土踏まずがない」んぢやなくて「土踏みがある」んだ、とオレは言つてるけどね。