2008-06-29

トリック見破れなかった事への不満なんだよね

推理小説はそういう形式なんだとか、論理的だとか、知的ゲームだとか云う事は受け入れてるつもりなんだけど、種明かしの時に同一のトランクが発送時と返送時とで重さが違う事に一言も触れてないのが不満。論理的だと云うならば、この問題は無視できない筈なのに。つまり、話の途中で種明かしになりそうな情報を誤魔化すのは仕方ないと思うけど最後には全て説明してくれないと読者として敗北した事に納得できないといいたいのです。XとZのトランクの動きを整理した表に重さの記述があっても、菰の有無等の状態の違いが明示されていないのは鬼貫の粗忽が原因だと弁解できたとしても、最後に鬼貫がトリックを説明する時に重さの問題を解決していないのは推理小説としての不出来な部分ではないかと思うのだけどどうでしょう。そんな作者が挑む知的ゲームには少し不満が残りそう。今年、俺が愛読した21冊のカドフェル・シリーズもミステリーなんだけど、そんないい加減な知的ゲーム性は無かったな。hiko7さんも「50才からの(ときどき)読書日記」のなかで、推理小説の中に辻褄の合わない点を指摘していた事があったよね。俺は推理小説にはまだ期待してるんだと思う。だから、もっと完璧な推理小説を教えて下さい。