2008-06-02

ガラス窓を落す?

去年の話だ。川端康成の「雪国」を読みたくなつた。理由はよくわからない。
本棚にあつたのを捲ると活字がずゐぶん薄くなつてて読みにくい。カポーティの「遠い声遠い部屋」もすごく薄くなつてて、買い替へようかと思ふくらゐなのだが、いまは「雪国」。BookOffに汚れも折れもない、状態のいいのが105円だつたので買ひ、10頁くらゐ読んでそれつきりになつたのだが、そのときのメモが出て来た。
"「ガラス窓を落した?」と書いてある。これがわからん。列車の窓は両端の金具を押して下半分を上げる恰好で窓が開くんぢやないか?
さうか。上のはうを下げたのか。二段だからね。"
問題の箇所は冒頭三行目にある。
ガラス窓は上げるんぢやないか?上の部分は下げられるのかなあ。もう何年も電車に乗らないから解らない。まして、これは汽車だろ?しかも上越線だ。豪雪地帯を走る汽車だから特殊な構造だつたりして。どうやつて調べればいいんだらう。どうでもいいことなんだけど、気になる。
それに、「向側の座席から立つて来て」となつてるのは、この汽車はボックスではなく、進行方向の左右に対面式にドアとドアのあひだに長くなつてゐる、あのタイプつてことか?岩下志麻(極道シリーズはあんまり見たことなんだけど、野川由美子と甲乙付けられないほど好きな女優)が駒子をやつた映画を見たことがあるが、最初の場面はボックス席に島村(誰だつけな、木村功だつたかな)が進行方向に向いて座つてゐたやうな気がするけど。
ま、急ぐ話ではないので、間を見て調べてみるか。
話はまつたく関係なく訃報。先月の12日、ロバート・ラウシェンバーグが死んだ。館林の美術館でラウシェンバーグのコラージュ(コンバイン・ペインティング)を見て、圧倒された覚えがある。抒情性といふか情念といふか、さういふものを一切省いた、無機質な感じ、無愛想で、素つ気ないのにどこか詩的なものを感じさせるのだつた。合掌。