2016-04-05

フェルメールのリ・クリエイト作品展

のつけから言つてしまはう、残念ながらリ・クリエイトよりも複製画のはうが好いのではないか。筆跡が全くないので写真に近い。だから近づいて見る意味がない。きのふhiko8さんと見てきた。
チラシ裏に書いてある、描かれた「当時の色調とテクスチャーを推測して、原寸大で、所蔵美術館と同じ額装を施して一堂に展示する」といふのは達成されてゐる。なので、フェルメールが残した(数点は真偽が定まつてゐないものもある)全作品を見られる機会としては満足した。デルフトの眺望は予想よりも小さかつたし、画家のアトリエ(いまは「絵画芸術」といふ題)の奇妙な室内も確認できたのはよかつた。
しかし、冒頭に書いたやうに、筆跡がない。なので、色の再現(と言つたつて推測にすぎない)とテクスチャー(どういふ意味で使つてゐるのか、生地の表現、描写なのか、手触り全般の描き方なのか解らないが)は達成されてゐるとしても、油彩なら油彩の筆跡も大事なので、輪郭が曖昧になつて、指なのか、その向かうにゐる人物、或は物の影なのか判断できないものがあつた(最初に展示されてゐた「マリアとマルタの家のキリスト」のパン籠を持つ女の右手)。
いづれにしても、監修してゐる人は生物学者で、どうも分子生物学らしいのだが、この分子生物学つてヤツが、この頃あちこちに顔を出してるやうな気がして、なんとも胡散臭く感じられるんだけど、その辺りのことはまた後で。
前売券800円だからね。普通の美術展のチケットに比べれば、ほぼ半額だから満足しよう。高崎までの往復だつて840円だし、久し振りに高崎の町を見られたし、良しとしよう。