2007-04-13

MOTTAINAIのこと

だいぶまへのことだが、休みの日に用事を思ひ出し、職場へ出掛けた。いつもより少し早めの時間に。既に出勤してゐた職員が、出てきたワケを知り、かう言つた。──折角の休みに勿体ないですね。確かに、翌日でも差し支へはなかつたらう。しかし、後回しにしたくなかつた。その日は休みだつたが、事前に申請すべき有給休暇の当日だつた。事前に、なんだから事前に申請しなくてはいけない、と堅苦しく考へなくてもいいことだ。いまはさう思つてゐる。が、その時は意地になつてゐたのだ。──が、これは有給休暇の申請についての話ではない。折角の休みに勿体ないですね、のはうだ。中でも、勿体ない、だ。最近よく耳にする。ウチは毎日新聞だから余計にさうなのかも知れないが。ものを大切にしよう、とは違ふのだらうか。初めてメディアを通してこの言葉を聞いた時、贅沢は敵だ、と同じに聞こえたのは、なにを基準にするかが曖昧だな、と思つたからだ。いまの暮らしの中で勿体ないものはなにか?折角蓄へた脂肪をダイエットして痩せるのは勿体ないとは言はないのか。まだ使へるものは使へ、といふ意味なのか。食べ残しを捨てるのは勿体ない?売れないものを作るのは勿体ない?それとも無駄?天然資源は勿体ないから原子力で、国民の血税が勿体ないから(最近いろいろ非難されてる天下り先を増やすだけだし)耐震構造検査は民間任せに、さういふことかな。節水するのは水が勿体ないからなのか、水道代が勿体ないからなのか。