2008-02-25

引き続き三浦和義事件

朝と昼と3時にNHKを除いた各テレビ局がまたぞろ興味本位の取材と報道を始めてゐる。見ると腹が立つだらうから見ないつもりだ。恐らく町の声でも拾ふのだらうが、その中に文春の「疑惑の銃弾」記事やそれを纏めた本だけでなく、島田荘司の「三浦和義事件」を読んだ人はゐるのだらうか。殆どの人が当時のテレビ、文春の記事だけを頼りに「怪しい」と考へてゐたはずだ。現にオレ自身もさうだつたのだから。これが有罪だつたら、誰でも殺人犯にされてしまふ。自供もなく、物証もなく、実行犯も特定できない、殺害行為そのものの目撃者もゐない事件だ。今朝の毎日新聞には一美さんの母親の発言が出てゐたが、「逮捕されてうれしい」。完全に犯人扱ひ。
兎に角、事件そのものよりも、かうした逮捕が許されるのか。マスコミが煩いから23日に警察が動いてFBIに問ひ合せたさうだ、そしたら折り返し返事が来て、新しい証拠が見つかつたんだ、と。ああさうですか、ならそちらでよろしく、なの?しつかりしてよ。日米刑事協力だかなんだか知らないけど、これは協力とは違ふ。知らないうちに勝手にやられたんだよ。日本国の最高裁判所が無罪だと判決を下した事件の元容疑者を、無罪なんだから普通の、と言ふと語弊があるか、なら一般人、オレやあなたや彼や彼女と変らない人間がさあ、いきなり逮捕だから、をかしくないの?と憤慨してるワケさ、早い話。
ジミーサコタとかいふ刑事が来たりしてけど、結局日本で捜査することになつて、裁判があつて、判決が出たのでせう。新しい証拠が見つかつたから逮捕したんだ?をかしくねえ?日本では無罪判決が出た事件の再審は一事不再理が原則だから再審の道がない、だからアメリカで、だとしてもキチンと筋を通さないと。礼儀を忘れてないかい?といふ話。
それが通るなら、こつちも米兵が起こした事件に対するアメリカの裁判所の判決は納得できないから勝手に出国まへにその人物の身柄を拘束して逮捕し、裁判するのもありだね、と例へただけ。