2008-08-17

ちよつと怖い話

実家でのこと。16日の朝、3時頃に目が覚めた。
小便が我慢出来なくて目が覚めたのか、寒気がひどくて目が覚めたのか、はつきりしない。兎に角、激しい寒気に襲はれてゐた。なのに、蒸し暑くて汗ばんでゐる。目を開けると、なんだか厭な予感がした。なにか見えたワケではないのだが、やばいと思つた。眼鏡が手の届くところにないのも不安を掻き立てる。なにか見えたら、もつとやばいと思つて目を閉ぢて、どうするか考へた。そのとき祖父の顔が浮かんだ。はつきりと笑顔の祖父が見えた。ゐるんぢやないか。お盆で来てゐるんだから、ゐてもをかしくないワケだ。祖父が怖いのではなく、死んだ人の姿を見るのが怖いのだ。目が開けられない。寒気もひどい。オレの布団の周辺に気配を感じる。廊下を行ったり来たりしてるやうな感じがする。小一時間もさうしてゐたらう。尿意が限界に達した。親父とお袋と一緒に寝てゐる娘の部屋以外の凡ての部屋の電気を点け(祖父が使つてゐた部屋は点けなかつたが、この部屋は便所の向かうで開けたままの戸が死角を作るのだ!)、便所の戸を開けたまま、便器の横に立つて背後に常に注意を払ひながら用を足し、素早く電気を消しつつ布団に戻り、目を閉ぢ、寒気に堪へながら5時近くまでじつとしてゐた。
実際なにごとも起らなかつたが、長い2時間だつた。怖い2時間だつた。