2017-11-20

これを敢へて五目ラーメンと呼ぶのか〜先づは高崎行きのことから

16日は休みで、前から見たかつた佐藤晃一展を見てきた。場所は高崎市美術館。
パンフレットはベイシア文化ホールに仕事で行つたとき、トイレへ行く途中で、ロビーの掲示ケースで見つけた。これは是非見たいと。たぶんヴィジュアル系のバンドのツアーのときだつたか、もつとまへだつたか、思ひだせない。
開催期間は2箇月くらゐで、さあ、いつ行くか。仕事は月曜休みで、美術館も大抵さうで、土日祝日は仕事だし、木曜も休むことが多いけど、それは日赤で注射したり検査したりの日だから、と、なかなか決められなくて、会期が今月の26日まで。なら16日しかないんだけど、といふ、いつもの優柔不断さ、と言ふか愚図ぶり。
佐藤晃一は高崎出身のグラフィックデザイナーで、残念ながら去年の5月に亡くなつてゐる。回顧展といふ設定なのかどうかはわからない。見学者は少なくて、ゆつくり見られたのはよかつた。ちやうど昼時だつたからかも知れない。
高崎に着いたのが11時33分で、美術館を出たのが12時45分頃。駅から徒歩3分の距離なので、凡そ1時間ちよつと見てゐたワケだ。腹が減つてゐたので、さて、昼飯はどうするか、といふことになる。美術館を出て、ざつと見まはしても居酒屋はあるが飲食店の看板や幟は見えない。
そもそも出掛けるときに、たまには高崎で飯でも食ふかな、駅の近くで食べればいい、さうだ、駅に立ち食ひ蕎麦があれば絶対それ、といふ心づもりで出発時間を決めたのだが、駅に着いたら立ち食ひ蕎麦がない。まあ、その辺に何かファストフード店とか、チェーン店で気楽に入れる店があるだろ、と高を括つてゐた。
美術館への路沿ひに喫茶店が一軒。ランチをやつてるんだけど、なんか喫茶店でランチといふ気分にはならない。喫茶店で飯を食ふ、といふ行為がどうも気乗りしなくて、駅に戻つてしまふ。
駅前の通りを真つ直ぐ市役所なんかがあるはうへ行けば、飲食店はあつたと思ふ。でも、そこまで労力をかけるに気にならない。駅内にはデパートらしいのが併設してるから、レストランもあるだらうし、地下にはフードコートみたいなものがあるのだらうが、店内をウロウロするのも億劫だつた。
たぶん、佐藤晃一を一躍有名にした箱をめぐる作品に取り組む氏の姿勢、模索する姿にうたれた余韻の中にゐたんだらうと思ふ。といふよりも、相変はらず日常に気を奪はれ、それを言ひ訳に何もしない自分への不満、苛立ちがあつて、日常は、茶めしごとは煩はしく億劫でしかなかつたのかもしれない。