2017-11-30

なぜそれを五目ラーメンと称するのか

高崎駅の中にはパスタ屋があつたけど、いまは糖質制限してるから避けたい、すごく食べたいけど避けたい。東口のはうへ行けばなにかあるでせう、と高を括つたのが、そもそもの失敗、不幸の始まり、いまから思へば。
美術館そのものが駅から徒歩3分の距離(とパンフレットには書いてあるが、確かにそのくらゐ)なので駅周辺でファストフード店でも探さうかとも思つたが、ちよつと見には見つからずわざわざ歩き回るのも面倒だし、駅の立ち食ひ蕎麦があれば、そつちだな、と決め込んでゐたのだ、確かめもしないのに。
しかし、高崎駅には立ち食ひ蕎麦がないのだつた。駅ビルには名前は知らないデパートが併設されてるから、飲食店や土産物屋はあるし、衣料品の店もある。だから、そつちに入れば最上階や地下に食べるところはあつたのだらうが、始めての店をうろつくのは面倒臭い。迷つてゐると、両毛線の伊勢崎行きの電車が出るといふアナウンス。いいや、途中、新前橋で乗り換へがあればそこで食べるし、なくても渋川駅前にも蕎麦屋がある。さう思つて乗つたのが運の尽き。13時5分発(だつたとかな)の伊勢崎行きは新前橋に13時15分か20分に着いた。そこで吾妻線か上越線に乗り換へれば群馬総社、八木原の次が渋川だ。
ところが、ホームの予告を見ると吾妻線の発車は14時7分!!は?いま何時?凡そ1時間待ちかい?そんだけあれば伊勢崎に行つても充分戻つて来られるんぢやないか?
已む無く、ホームの待合所で待つ。結局渋川に着いたのは14時20分頃で、駅前の蕎麦屋なんか客の姿もない。帰つても、なにかあるワケぢやないし、途中にTといふ食堂がある。以前、チャーハンを頼んで失敗した食堂だ。ラーメンなら、昔食べたこともあるから大丈夫だらう。駐車場にはまだ数台の車があり、表には昼の時間帯は15時までと書いてある。
入つてメニューを見た。普通のラーメンにすれば良かつた、と今では思つてる。野菜が摂りたいと不意に思ひ、五目ラーメンを頼んだ。
待つこと数分。五目ラーメンと称するラーメンが出てきた。一瞬、どこが五目ラーメンなんだ、と思つた。五目ラーメンと言へば、普通は野菜や剝き海老や烏賊なんかが入つてゐるものだ。さう想像してゐた。だが、ここの五目ラーメンに載つてゐる具材はと言ふと、茹で卵半分、シナチク数本、インゲン2本、蒲鉾1切れ、わかめ、コーン数粒、刻みネギ、それしか見当たらない。麺とスープ以外に具材は刻みネギを入れたら七種類あるが、逆に普通のラーメンにはなにが載つてるのか知りたいくらゐだ。これが630円。安い。確かに安いけど。
味はまあ、特に不味いといふこともなかつたが、金を払つて店を出るとき、もう二度とここには入るまいと決心した。