2017-12-14

趣味を持ちたい、といふ話

言葉の意味としては、仕事や職業でなく、個人の楽しみを趣味と呼ぶのだらうから、さういふ意味では、本を読んだり、映画を見たり、と言つてもこれは専らレンタルDVDだけど、美術展に行つたり、ライブを見に行つたりするのが趣味だと言へなくもない。ウォーキングだつて、いまは滅多に走らないけど、ジョギングだつて、このブログだつて趣味と呼べるかもしれない。でもさあ、趣味つてのは、もつと打ち込む姿勢といふか、熱意といふか、さういふものがないとダメなんぢやないか。それで例へば趣味に関はつてるあひだはついつい寝食を忘れるとか、満足感かある、達成感があるとか。
さういふものが自分にはない、自分は持つてないなあ、といふことなんで、それはライブを見てくれば満足感はある、去年のムーンライダーズも、そのまへのキース・ジャレットも。ライブを見て来るつてのは趣味かね。こないだ読み終へたフロストも面白かつたし、いま読んでるhiko8さんお勧めの藤沢周平、用心棒日月抄も面白いし、満足感はある、読み終はれば達成感みたいなものもある。けれども、なんか違ふんだなあ。まはりの人たちが言ふ趣味とは。
写真が趣味で、と言ふ人は、ライカとか、ライカでなくてもキャノンでもニコンでもいいけど、機種や機能にも矢鱈詳しくて、よりいいカメラがほしいとか、あちこち写真を撮りに行くとか。映画が趣味だつて言ふ人はきつとレンタルDVDなんかぢや満足できなくて映画館で見るだらう。そんで監督や俳優さんにも詳しいだらう。ミステリが好きだつて言ふ人も、きつといろんなことを知つてる、作家名や作品名も。
さうさう、マニアだ。熱中してる感がある。さういふ熱中感がほしい、といふこと。で、さういふ熱中できる趣味がほしいんだよねえ。なら、いまやつてることの中で何かに熱中すればいい、と言はれれば、まあ返す言葉もないんだけど。
逆に言ふと、自分には職業と呼べるものがないんぢやないか。これがオレの仕事だ、本業だ、職業だ、と言へるもの。舞台の仕事はしてるけど、それで金を貰つてれば仕事と呼ぶしかないけど。
なんでもさうなんだけど、没頭する、といふ経験がない。これは淋しいことだ。