2017-12-21

エンドレスな鼻歌

けふ久し振りに桐生の湯ららに行つた。ちやうどいま湯ららではお客様感謝デーといふのをやつてゐて、回数券が11枚綴で売つてゐるし、入浴料が500円だからだ。18日に行くつもりだつたが、時間がなくて行けないかつたので、けふ行つたのだ。
お目当ての回数券を購入し、風呂に入つた。最初に水素風呂に入つた。浴槽にはわたしのほかに二人ゐた。そのうちの一人が鼻歌を歌つてゐた。鼻歌を歌ふ、と書いたが、これは正しいい言ひ方なんだらうか。実際、鼻歌を歌ふ、とはをかしな言ひ方だ。しかし、ほかの言ひ方を知らないので、このままにする。
これまで何度も湯ららに来てゐるが、鼻歌を歌ふ人は始めてだつた。なんとなくイヤだなあ、と感じてゐた。けど、文句を言ふほどのものでもないので、聞き流してゐたのだが、曲名はまつたくわからないし、どうも同じフレーズを繰り返してゐるやうに聞こえる。そのことに気がついて、変な人だなあ、と思つた。エンドレスな鼻歌。これは変だよ、ほんとに。
サキの大好きな短篇に「話上手」つていふのがあつて、わたしは中村能三(なかむらよしみ、と読む)の訳(新潮文庫)が好き(と言ふのはほかにも岩波文庫の川田智雄訳、いまは廃刊になつてゐるサンリオSF文庫の中西秀男訳も持つてゐるし、読めもしないのに原書までも持つてゐる)なのだが、その始めのはうで、女の子が「マンダレイへの道で」の冒頭しか知らないのにそれを繰り返し歌つてゐる、と書いてあるのを思ひ出してしまつたのだつた。まさにそんな感じだつた。