2017-03-27

ノックの音が

きのふ渋川の帰り。桐生を過ぎた辺りで、いきなり「コンコン」といふノックの音がした。
車のガラスをノックするやうな音で、後部座席に吊るした喪服のハンガーが窓かなにかに当たつたのかと思つたが、国道50号のほぼ直線を走つてゐたので、それは有り得ない。揺れたりしてないんだから。
音が聞こえた瞬間、もう鳥肌立つてしまつたが、冷静に考へても、音が鳴る要素がない。気のせゐだと思ふしかない。走つてるんだからね。誰かが外から叩くといふことは考へられない。なら、車内で音がした、といふことだ。後部座席の足下にある小型の傘とか、なにかさういふものが、なにかの弾みでどこかに当たつた、と。
で、傘に手を延ばして後部座席をぐるぐるかき回したけど、なにもない。
気のせゐだよ。そのまま走らせる。
また「コンコン」と音がした。太田のフジタ・コーポレーションが左、右にラーメン山岡がある辺り。びびつた。ゾワーと鳥肌。なんなんだよ、これ。理由が解らない。後続車からなにかの道具を出して突いてるのかと思つてルームミラーで伺ふが、距離があるから、相当長い物でないと後部座席のガラスまでは届かない。
でも、さういふ音なんだよね。ノックしてる音。「コンコン」と。
更に走つて、気を抜くと「コンコン」。太田のカンケンプラザ(いまはスマイルタウンと言ふのかな)のところでまた「コンコン」と鳴る。人がノックしてる感じで半端でなく怖い。さすがに家に着く頃には聞こえなくなつたけど、オレは運良く、霊とかは見えないから。見える人には見えたかもしれない。そんな気がする。ホントに怖かつた。