2015-01-19

卵の話

(ちよつと長くなつてしまつたけど、我慢して読んで下さい。)
卵と普通に言ふけど、それはスーパーの売り場にさう表示されてゐるせゐもあるが鶏卵のことだ。自分でも尋常ではないくらゐ鶏卵が好きで、でも異常だとは思つてゐない。といふのは、別に毎日食べなくても平気なのだよ、正直言つて。信じられないでせうが。
しかし、冷蔵庫に卵のパックがない、なんてことはオレにとつて緊急事態である。カミさんもその辺は心得てくれてゐるので滅多にないが、ごく稀に朝、冷蔵庫を開けたときに気がつくともう落ち着かない。カラータイマーが点滅し始めたウルトラマンみたいなものだ。
好きな食べ物の第一位はなんと言つても卵料理で、中でも目玉焼きが好きなのだ。その次に茹で卵、卵焼きの順になる。ポーチドエッグが卵料理としては一番理想的だと丸元淑生の「悪い食事とよい食事」(新潮文庫P117)に書いてあるけど、上手く出来た試しがない。
卵が好きだと言ふと卵掛けご飯も好きなんだらうと誰しも思ふやうだ。勿論、嫌ひぢやあない。子どもの頃に弟と一つの卵を分け合つて、卵掛けご飯を食べた思ひ出も懐かしい話だが、なんで卵掛けご飯が一位にならないか。実はカラザと呼ばれる白濁した紐みたいなところがダメなのだ。焼いてしまへば解らないし、茹でてしまへば気にならない。けど白身と黄身のあひだにあるカラザを見ると、俄に卵が生き物に思へて来るから厭なのだ。
今朝も卵掛けご飯を食べようとして、カラザを取り除いた。生き物でなく食べ物としての卵にしたワケだが、更に言ふと生の卵は白身のトロトロも見た目と食感が好きではない。目玉焼きや茹で卵を食べるときは白身のはうが好きなのにをかしな話だ。
一度そんな話を職場でしたら、白身と黄身を分けて、ご飯をよそるまへに白身を茶碗に入れておくといい、と山極さんに教はつたので、それ以来さうしてゐるのだが、確かに白身のトロトロ感は減る。でもやつぱりトロつとした食感は残る。で、今朝は白身を茶碗に入れて600Wのレンジで20秒ほど加熱してからご飯を入れ、黄身を乗せて食べた。かなりトロトロ感はなくなつた。もう少し、あと10秒くらゐ余計に加熱したはうが理想かなあ。(といふ、どうでもいいやうな記事を書きました。)
序でに、実は卵はコレステロールが多いと一般に言はれてゐるんだけど、実は卵を擁護する小冊子(群馬県養鶏協会発行「健康づくりに、なぜ、たまごがいいのか」P8)にはかう書かれてゐる。「約90年前、ロシアでの実験がきっかけ」で「草食動物のウサギに、動物性脂肪のたまごを食べさせて実験した」結果、「血中コレステロールが増加し、たまご=コレステロールといふ誤解がうまれてしまった」と。それから「卵白に含まれるアミノ酸シスチンには、コレステロールを下げる効果のあることが明らかになりました」(P9)、「また、卵黄にはレシチンという脂肪酸が含まれ」てゐて、それは「血中の悪玉コレステロールを減らし、血管壁のコレステロールを溶かす働きがあることがわかりました」(P9)と書いてある。どうだい、卵は大丈夫なんだよ。更にアルツハイマー型痴呆の予防にも卵に含まれるコリンが役に立つんだ(P12)とも書いてあるんだぜ、どうだ。もつと言ふと、必須アミノ酸の一種メチオニンも卵には含まれてゐて、それはなんと肝臓でアルコールを分化するときに必要な成分(P7)なんだ、恐れ入つたか。