2016-05-11

きのふのつづき

もしかしたら、ジョン・ル・カレの本で読んだのは「死者にかかってきた電話」かも知れない。ハヤカワの単行本で持つてゐたと思ふんだけど、兎に角、大昔、20代の始めの頃の話だからなあ。
この「裏切りのサーカス」は2011年のイギリス、フランス、ドイツの合作映画だ。サーカスつてのはイギリス諜報部のことを指すやうで、裏切りとは勿論、映画の中で「もぐら」と呼ばれるロシアに通じてゐる二重スパイのこと。でも、原作の「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」のはうが題名としては好みだな。
登場人物が暗号名で呼ばれたり、名前で呼ばれたりするから、一度見ただけでは誰が誰かよく解らなくて、二度目で漸く、さういふことなのかと思ふ。映画館で見たらきつとよく解らないままだらう。結末まで見れば誰が裏切つてるのかは解るけど。
きのふ見て気づいたのは、同性愛者の人物設定があることだつたが、なんと、これはwikipediaのキャスト説明のところに出てゐたのを見落としてゐたのだつた。もぐら探しをすることになるスマイリー=ゲイリー・オールドマンを手伝ふ役のピーター・ギラムの項にはつきり書いてあつた。ビル・ヘイドン役のコリン・ファースのところには両性愛者と。ジム・プリドー役のマーク・ストロングのところのヘイドンの「親友」といふのは、まあ、さういふ意味なんだらう。そんな雰囲気の場面がある。
序でに、昔のフランス映画に出てきたシトロエンのDSパラスが使はれてゐて、懐かしかつた。