2017-04-28

平沢川のこと

平沢川といふのは渋川の町中を東西に流れる川だ。
きのふの休みに墓参りを兼ねて散歩したその帰り、平沢川沿ひに歩いて行かうと思つたのは、一体、平沢川はどこへ流れて行くんだらう、恐らく利根川だよなあ、と思つてゐたけど確証がないので、ものは序でに知りたいものだといふのがその理由。昔はこんなに川幅が広かつたらうか、といふ思ひもあつたけど、もつと川底が記憶よりもずゐぶん深いことだ。
日本の真ん中、四ツ角から伊香保へ向かふ通り、けむりやを過ぎての信号のところ、平沢川に沿つた道へ降りる階段がある。橋の手前に。これを見つけたのが直接の動機。あ、平沢川沿ひに歩いて帰らう、と思つた。
正林堂の裏を下り、福州亭を川向かうに見、吉田君ちの花屋を左に見て、いよいよ駅に近い線路にぶつかる。右に橋を渡ると駅へ行く。その道もなんだか面白さうだつたが、大同製鋼付近は以前歩いたことがあるから、今回は見送り、左に折れる。線路下を潜り、もとの渋川総合病院(いまはなんとか言ふ大学?)の手前で左折。17号バイパスに出た。
もう先は見えてゐて、利根川に合流するのは確かだつたが、この目でみたいと思ひ、交通量の多いバイパスを渡ることに。
どうにか渡つて、もう目の前は利根川だ。右側の河川敷に住んでゐる人がある。畑があり、バラックの建物がある。この河川敷はあの人(畑で小父さんが作業してゐた)の土地なんだらうか。
なんて考へてると突き当たり。この先は紛れもない利根川で、平沢川は確かに利根川へ流れ込んでゐたのでした。
歩きながらあれこれ思ひ巡らしたのだが、たびたび思つたのは、ああ、渋川つていいところだなあ、生まれた町だもんなあ、この世界にはもつと綺麗で住み易くて景色のいい町はあるだらうが、やつぱり生まれた町はいい、さういふことだつた。