2015-06-10

どつちでもいいことなんだけど、気になつてしかたがないので調べてみよう

(おんなじやうなことを以前にも書いてるかもしれないが、机のまはりを整理してたらメモが見つかつて、すつきりしないので書きます。)
「進撃の巨人」といふ漫画があつて、アニメにもなつてゐるし、関連する物品も作られてゐる。借りて読んだことがある。内容はここでは触れない。絵についても触れない。この題名だ。これに違和感がある。日本語としてをかしくないのか。
「進撃」と「巨人」を「の」で繋いでゐることに違和感がある、先づ。
では、「の」から行くか。以下、岩波国語辞典第三版からの引用。
「の」は格助詞。その①で「AのB」といふ用法が挙げられてゐる。一番一般的な使ひかたでせうね。例として(─のところに「の」が入る)「銀座─柳」、「父─財産」、「紫─糸」、「帰り─切符」、「日本─国」、「君へ─手紙」、「懐かし─歌」など。
名詞と名詞のあひだに「の」を付ける、といふ使ひ方が多いけど、「進撃」つてのはさあ、寧ろ動詞として使ふものだらう、「進撃する」と。
「進撃」は名・ス自となつてゐて、名は名詞、スは「する」と結合してサ変動詞として用いるもの、自は自動詞。
例へば似たやうなのに「進化」つてのがある。「進化」も名・ス自だ。「進歩」もさう。
もし「進化の巨人」だつたり「進歩の巨人」だつたら、変だと感じるんぢやないか。
「侵入」も名・ス自だけど、「侵入の泥棒」とは言はないだらう。新聞の見出しで慣れちやつてるから、多少をかしな言葉のつながりも変だと感じなくなつてるのかなあ。
「名ナノ」と書いてあるものは「なんとか・の・なんとか」で使つても違和感がない。「高貴な人」、「高級な店」とか。
「進撃する巨人」だつたらなにも言ふことはないんだけどねえ。