2005-08-31

サバ読んでました

一昨日、30年くらゐ前、なんて書いたけど、実は35年前でした。

2005-08-29

Sky Pilot の事とか

先づ「Sky Pilot」つて曲はアニマルズのベストにも殆ど入つてない、といふことをネットで検索して知つた。
なんでこの曲をオレは知つてるのか。昔、すごい昔、オレが中学くらゐだから、もう30年以上前に朝の番組で見たのだ。司会は大石吾郎、つて言つたかな。違つたか。兎に角、さういふ番組があつて、オレはそれでレッド・ツェッペリンの「コミュニケイション・ブレイクダウン」のライヴ映像を見たし、「Sky Pilot」もその番組で見たのだ。たぶん当時、アニマルズの名前は知つてゐたけど、本歌の「朝日の当たる家」は聞いたことがなかつた。フリジッド・ピンク(?)といふバンドがリバイバルヒットさせたその歌を聴いて、知つてゐたに過ぎない。ただ、アニマルズとエリック・バートンの名前はモップスの鈴木ヒロミツ経由で知つてゐた。鈴木ヒロミツがエリック・バートンの声になりたくて(さういふ心理はとてもよく解る)歌ひこんでノドから血を吐いた、といふ話を本人がテレビだかで話してたのを見たことがある。鈴木ヒロミツにはもう一度ロックを、R&Bでもいいのだが、ぜひとも歌つてほしいと思つてゐる。桑田ケイスケなんかよりもオレはすごいと思つてる。オレの中では日本のベスト・ボーカリストですよ。だからしつかりモップスのCDは持つてゐるのだ、ははは。……でも「雷舞」ぢやいなんだよなあ。これはまだ手に入るのかな?
それで、この「Sky Pilot」をすつかり始めから終りまで聞きたい、といふ思ひから、気の長い検索の末に見付けた。勿論、アニマルズのヒットも或る程度、特にオレは「「Don't Let Me Be Misunderstood」(エルビス・コステロも歌つてるけど、悲しき願ひ、つていふ邦題だつたかな)が入つてるのがほしくて「Retrospective」にしたのだ。これにはエリック・バートン&ウォーの「スピル・ザ・ワイン」も入つてる。「Inside-Looking Out」(孤独の影=グランド・ファンクの代表曲でもある)も入つてるし。
Amazon.comで安かつたのでRolling Stonesの「Get Yer Ya-Ya's Out」と一緒に注文した。もう一つDetorit Cobrasも頼んだけど、メールによれば後から発送された筈のこつちの2枚が先に届いたので、……。
本題の「Sky Pilot」はと言ふと、まつたく印象が違ふ曲だつた。もつとポップスつぽいと思つてたのだが、それよりも聞くほどにエリック・バードンは凄い、だ。声がいい。し、その歌ひ方がズンズン胸に響く。これはやつぱ憧れるよなあ。
Stonesのはうは又後で。

2005-08-22

こないだお盆に帰省して、弟と話したことで

立川談志の公演の話で、談志が高座で話し始めたら「聞こえない」といふ野次が飛んだ。マイクの調子もあつたかも知れない。ちよつと離れてたから。ただこの一言で談志は婉曲的に怒りをぶつけて来た。と言ふのは談志は芸人であり、芸人がお客にストレートな意見を言つてはいけないから。マイクの音を消してくれ、使はないで話す、と。
以前東横落語会で人間国宝だつた小さんを見たことがある。小さんは頭を下げてから話し始めたのだが、ボソボソ喋るだけで、何を言つてるのか聞き取れない。けしてザワザワと煩かつたわけではない。それにあの時は弟と2人で結構前のはうで見てゐたのだが、聞こえない、聞き取れない。でも誰一人「聞こえない」なんてことは言はない。そのうちに場内がシーンとして来た。みんな何を言つてるのか聞かうしたわけだ。すると、小さんの声は次第に大きくなつて、なんだ声が出ないわけぢやないんだ、とハネてから理由は解らないまま弟と話したことがあつた。
その後、ある機会に「ゴミ鎮め」といふ技があるのを知つた。それは、静かにさせるために、わざと声を小さくして、静かになつたら普通に戻す、といふ技。つまり小さんはあの時、会場が煩いと感じたのだらう。或はその場の雰囲気が自分の噺を聞かうしてゐるやうには見えない、思へない、感じられない(どれでもいいが)だつたのだらう。小さん側の理由までは立ち入らないが、自分の噺に集中させるために、わざと聞こえないやうな声で始めたのだと漸く知つたのだつた。
さて、あの時の談志は。
オレはいま「ゴミ鎮め」をやつてるんだよ、と言ふ芸人はゐないだらう。談志なら言ひさうだと思ふ人もゐるだらう。いやいや、談志は与へてゐる印象よりもずつと繊細なのだ。それは芸に出てるでせう。と言ふより繊細でなければ芸なんて出来ないでせう。少なくともその道で生きて行けるまでにはなれない。
「聞こえない」つて言ふ前に聞かうとする。小さんの時みたいに、こつちから。人間国宝だからさうしたわけぢやない。そんなのもつと後の話だし、よりもそれが聞き手のマナーではないか。どうやつても聞こえない。でもそれを相手にぶつけるのではなくて、後で「談志も声が出なくなつたなあ」と連れに言へばいいのだ。それが出来ないなら談志を聞かないでほしい。いや、落語を聞かないでほしい。

2005-08-13

してはいけないこと、は「ある」

ついさつき仕事から帰つて、発泡酒の350を飲んでから、まあ、ここまではビールと呼んでもいいかな、使つてるものはそんなに変はらないんだから、なんて腰砕けになりつつも、どうにか醸造アルコールまで(ホントにさうなのか信じられなくなつて来てるが)の日本酒を飲み始め、酔ひが進むうち(どんどん進む、ここでは言へない家庭の事情で苛立つてるから余計)、それが好きで飲んでるといふ人は別にして「その他の雑酒」はやつぱり聖域に踏み込んでるんぢやないか、と。つまり、してはいけないことをしてる、と。
冬に咲く桜は作つてはいけないんだよ。出来るかどうか、やつて見よう、……それは学問として許されること。品種改良も、遺伝子組み換へは、やつぱ聖域でせう。これは本物と見紛ふくらゐの贋もの作りで、自然=そのままといふ意味での自然に対する挑戦ですよ。神とか仏とか、さういふ絶対の存在(絶対なんてないんだよ、絶対に)とかを持ち出さなくても、朝になれば日が昇るといふ程度の自然の営み、自然の力への挑戦だらうね。奢りだね。
やれば出来る。確かにさうだ。それは立派なことだ。でも出来たことをよく考へて見よう。人間がしていいことと、してはいけないことは「ある」。出来ることは、なんでもしていいわけぢやない。さう、なにをしてもいいわけぢやあないんだよ。原爆が作れるから、つて作つて落とさなくてもいいんだ。しないでゐる力。吉田健一は満足の行くことが出来ないなら、しないでゐるだけの勇気、或は怠け心、と言つた。人間は弁へなくてはいけない。これはしてはいけないな、と自制する力。人間だけが地球で暮らしてるわけぢやないんだ。
さう、いまオレは歩かう、つて思つてる。車は便利だけど、どれだけ犠牲になつたこと、それで失はれたものがあつたか。
なんで歩くよりも早くAからBへ移動しなくてはならないやうになつたのか。いつから若いことはいいことで、年寄りはダメになつたのか。
そもそもの発端は産業革命以降だよなあ。飛躍するけど。あの辺からをかしくなつたんだよなあ。日本は更に明治維新。これが大きく絡んでるやうな気がしてならない。今の日本には。この似非儒教的日本の現状に。
産業革命の象徴は万博。産業革命以降、人間が失つた心を取り戻さなくては、つていふ時代に、まだ万博だつて。
してはいけないことは「ある」よ。

原点に立ち返れ、といふ

ま、大きく言へばさういふことなんだ。高い安いぢやないんだ、と。「ビールは酒税が上がると、きつと売れなくなつちやふぞ」「さうだな、ちよつと作り方変へてさ、麦の量を減らして、麦芽だけぢやなく大麦入れれば似たやうなもんだよ」「さうだな」「名前どうする?」「ビールぢやねえからなあ」「発泡酒、つてのはどう?「いいねえ、それ。それで行こう」「あ、売れる売れる」「今度は発泡酒が増税だつて」「どうするかあ」「ぢや、もう違ふアプローチしかないね」「と言ふと?」「作るんだよ、ビール的なものを」「え?それつてビールぢやなくなつちまふでせう」「だからビールつて言はない。その他の雑酒にする」「大丈夫スかあ」「あ、売れてる売れてる」「なんでもいいんだよ、やつら」……なんてことを悪魔に囁かれてゐるに違ひない。こんなことやつてるのは日本くらゐぢやないのかなあ。便所がトイレになつて、敗戦が終戦になつて、ついにビールはその他の雑酒になつた。でもこれはただの読み替へぢやない。中身が変はつてしまつたのだ。安いから、そんな味も変はらないし、……でも、それはビールぢやないですからア、残念!高くても、税金が馬鹿らしくても、ビール飲まなきやダメになつちやふやうな気がして来た。原点に立ち返らないと。文化は金が掛かるんだ、と。唐突だけど。それがイヤなら文化なんてものに手を出すな、と。背伸びしないで、田舎モンは田舎モンでいいんだよ。パレエぢやないんだから、爪先立つてずつと歩けないでせうに。「その他の雑酒」小賢しいよなあ。……と、店頭で迷ひつつ、何度も何度もヱビスのはうを見て嘆息し、せめてラガー、と葛藤し、メーカー一緒だから、と淡麗生を買つて来たのでした。うーん。

2005-08-09

たまたま仕事帰りに寄つたセブンイレブンに、

モンド・セレクションだかでグランプリ(?最高金賞?)になつたとかいふブレミアム・モルツがあつたので買つてしまつた。うへー、スゴ〜贅沢。なんと!プレミアム・モルツは「麦芽」と「ホップ」だけで作られてゐるのです!純米酒みたいぢやないですか。但し、350ミリリットル1缶飲んだだけぢやあ、なんとも言へませんねえ。例へばヱビスと比べてどうか、なんてことは。例へばプレミアム・ラガーと比べてどつちだ、なんてことは。スーパー・ドライのスタイニー・ボトルと比べたらどうだ、なんてことは。

最近のアレ

ゆふべ仕事から帰つて、遅かつたから(自分なりに)音に注意を払ひつつ、発泡酒以降のアレを飲んだわけだ。あんまり利かなくて、味も今一つ旨くなくて、つい缶の「原材料」つてのを読んでしまつた。これが良くなかつた。なんだか虚しくなつた。
曰く「ホップ、コーン、糖化スターチ、醸造アルコール」この辺まではなんとか読める。ビールつて醸造アルコールが入つてたのか?といふ疑問を除けば。
因みに本物の(と言ふのもをかしいが)ビールはかうなつてる。「麦芽、ホップ、米、コーン、スターチ」。「米」や「コーンスターチ」のないのもあつた気がするが、いづれにしても凄く単純な作りなのだ。材料はそんなに使はないものなのだ。日本酒なんか純米だと「米、麹」だけぢやないかい?純米酒は余り好きぢやないから、よくわからんが、これに「醸造アルコール」を足した醸造酒、までがオレの限度。と言ふのは、これに「糖類」とか幾つか加はつたものは極力避けて来たのである。値段は極力抑へて、原材料も醸造アルコールまで、と。
ところが最近のアレは、……はつきり言ひませう、「その他の雑酒」といふアルコール飲料。原材料は更に加はります。
「食物繊維、コーン蛋白分解質、酵母エキス、香料」だんだん「酒」から遠ざかつてく気がしませんか。更に「カラメル色素、酸味料、クエン酸K」この「K」が怪しい。アルファベットはやつぱりBとかCとかだと特に気にならないんだけど。
続いて「甘味料(アセルスファムK、スクラロース)、苦味料」又してもKの付く薬品らしき材料があつて、「苦味料」。つまりビールの味に似たものを作つてるわけなのだ。そんなことはハナからわかつてんだろが!と一人ツツコミしちまふけど、実に十三(甘味料の別々に数へれば十四)種類の材料から作られてゐる!ちよつと凄くな〜い(と尻上がりに読んで)?
逆に言ふとだよ。普通のビール、本物のビールは「麦芽、ホップ、米、コーン、スターチ」だけでそれを作つてるわけだ。
最近のアレも凄いけど、その努力は認めるけど、自然の力は強力だね。職人さんが作るんだけど、自然の力が大きく作用して、その国によつて違ふ、土地土地のビールがあるといふ、かういふ自然の恵みを大切しなくちやなあ、と思ひつつも、ゆふべでちやうど最後の一個が終つてしまつたから、けふ買ひに行くんだけど、……ビールを買へる懐具合なんだらうか、空しいなあ。
よりもさあ、そこまで飲みたい?そんなもう薬品並みのアルコール飲料をビールと称して飲むこと自体が疾しくないのか、戦中戦後の物資のない時代ぢやないだろ?いいトシこいて、量より質だろ?……疾しくたつて、質より量で、少しでも安いの買つちやふのは、悲しい性だなあ。いいや、そんなことはない、これは政治が悪いからなんだ!

2005-08-05

鼻濁音の続き

Wikipediaでは「日本銀行」は鼻濁音になる、と説明されてゐて、複合語の複合の度合いが強い場合は鼻濁音になる例として挙げられてゐる。が、その前に先づ、これは「にほんぎんかう」なのか「につぽんぎんかう」なのか、といふことがある、私の場合。「日本語」は「にほんご」で、広辞苑第二版によれば「とくにニッポンとよみならわしている場合以外はニホンとよませることにした」と断りがあって「にほんぎんかう」が出て来る。
序でに「日本人」は「にほんじん」。「日本一」は「につぽんいち」。「にほんいち」とはよみならはしてはゐない、と新村出氏と広辞苑編纂者たちは判断してゐる、といふことだ。まあ、幾つものデータからさう判断したわけで、これが正しいとは言つてない。指針だから、この場合。さう読んではイカンと言つてるわけではない。
意外だつたのは井原西鶴の「日本永代蔵」は「につぽんえいたいぐら」。「にほん」にも出てるけど矢印があつて「につぽんえいたいぐら」を見ろ、と。こつちを広辞苑は選択しました、といふことらしい。大阪市南区の道頓堀川に架かる橋は「につぽんばし」、東京都中央区にあるのは「にほんばし」。これだけの資料から決め付けるのはをかしいんだけど、「につぽん」は関西系?
話が逸れたけど、オレは「にほんぎんかう」なら鼻濁音で、「につぽんギんかう」ならさうしないやうな気がする。うーん、ちよつと自信ない。少なくとも「日銀」は「にちギん」と読みますね。
Wikipediaの複合の度合いが云々、といふ口調は丸谷才一みたいで気に食はない。オレはその辺の微妙な塩梅をすつかり弁へてんだから、凄いんだから、偉いんだから、といふ優越感モロ出しで鼻持ちならない。丸谷氏の本は昔はよく読んだし、「たつた一人の反乱」とか、すぐにタイトルが出て来ないもので気に入つてる小説はあるけど、エッセイは或る時期を境に「偉さうに」になつてしまつた。偉いんだらうけどサ。松本清張もさうなんだいね。
また話が逸れて行きさうだぞ。
どつちにしても、もう殆どまはりで聞かないからね、鼻濁音。テレビ・ラジオにしてからが、民放なんかゼロかも知んないし、NHKのアナウンサーが全員使つてるとは思へないし、カミさんは鼻濁音自体「なにそれ?」だつたし、娘は確実に「ガギグゲゴ」。息子はどうなんだらう。あんまり話さねえからなあ。

2005-08-03

こないだ

「地震ガありました」つて言つた民放の女子アナウンサーがゐたといふ話をし、松任谷由実も「守つてあゲたい」と歌つてゐたと。これはをかしいんぢやないかい?と。早速、Wikipediaで「鼻濁音」をひいてみると、やつぱり。さうなんだよ。正確ぢやなかつたけど、言葉の最初でない時には鼻濁音になる、で正解だ。東京を中心にして東日本以北が主な生息地だが、現在のところ急速に絶滅傾向にあるらしい。松任谷由実の出身地はどこか知らないが、東京方言を使はない地域で育つた両親、或は父母のいづれかの家庭だつたのかも知れない。そんな家庭環境はどうでもいいんだけど。
ただ、「守つてあゲたい」は聞きづらいんだ、と。オレには汚く聞こえる。洗脳されてんのかなあ。
で、もう一つWikiPedia以外のサイトで調べたものの中に、とても詳しい事例を挙げて説明してるのがあつた。サイトのURLを勝手に書いていいか解らないから伏せて中身だけ。
鼻濁音になる場合と、ならない場合を説明してる。
鼻濁音になるもの=数学・産業廃棄物・日光東照宮・総合病院・小学校・中学校・外国語(これ自体は「ガいこくご」なんだけど、GoogleとかBloggerとか外国語そのもの)・外来語(これも同じで、例外としてジャングル・ゴングは鼻濁音)・「私が」の「が」・ぐらゐ・ごとし・株式会社・真珠貝・みじん切り・一人暮らし・雪景色
ならないもの=高等学校・日本銀行
が行音が2つあつて、使ひ分けするもの=衆議院議員(しゅうぎいんギいん)・管弦楽団(かんげんガくだん)
でした。