2008-08-31

北京オリンピックがあつたこと

まつたく触れなかつたことに特別な意味はありません。人並みに見てゐたと思ひます。
で、ついさつき、24時間テレビが終つた。マラソンがあつて、感動した人もゐるでせう。さういふ人たちに水を差すやうで申し訳ないが、オレはこの番組が親の敵か、といふくらゐ嫌ひなのですよ。偽善としか思へない。
ちよつと飛ぶけど、──駅前で募金を募る高校生諸君に、もう一度言ひたい。人の金を宛てにしないで、自分で働いた金の中から出来る限りのことをして下さい。立つてゐるのも楽ではないだらうが、さうやつて大人は無関心なんだ、などといふ的外れな偏見を持つくらいなら、自ら働いて、そこから幾ら寄付出来るか試したはうがいい。──戻りませう。
この24時間テレビで、今回は3億円以上もの募金が集まつたさうだ。このお金が何にどうやつて使はれるのか、不勉強で知らないのだが、逆にオレはこの番組を放映することで掛かつた電気代が知りたい。関はる人たちの人件費や機材のレンタル料を除いた、凡てのテレビ局で掛かつた電気代だけでも知りたい。半端ぢやないでせう。
節電するやう、電力会社がCMを流し、年明けには電気料金の値上げが決まつてゐるなかで、24時間も電気を使ひ続けたワケですから、どのくらゐ掛かつたのか、公表してほしいものです。
欲を言へば、出演者には出演料が支払はれてゐるのかどうか、支払はれてるのであれば、その総額は幾らか。制作スタッフが無償なのかどうか。無償でなければ、その総経費は幾らか。番組のスポンサーはどのやうにしてCMを流してゐるのか。費用はテレビ局に支払はれてゐるのかどうか。さうしたことを凡て公表してほしい。
さもなければ、この番組はオレにとつて鼻持ちならない偽善だ。この番組に掛かる費用は、電気代も含めて凡てボランティアか無償で賄はれてをり、募金は凡て寄付される、なら納得する。寄付を呼び掛ける人が利益を得てどうするの?をかしいでせう?
子どもを騙してはいけない。子どもの小遣を巻き上げて、収入を得てはいけない。この番組で利益を得る人がゐたら、偽善どころか詐欺でせう。いや、子どもの夢を食ひものにした犯罪ですね。
24時間まつたくテレビ放映しないで、掛かると思はれる費用全額を寄付するので、皆さんもご協力ください、と言はれれば、胸を打たれるけど。
ディズニーと宮崎駿と24時間テレビは、……どうも手放しで受け入れられないものがある。

2008-08-30

相変らずの

小林信彦でした。──と言ふのは、
けふは病院行つて診察受けて高血圧の薬貰ふ日で、土曜日はさあ、診療点数が加算されるんだよなあ、今度は土曜ぢやない日に前倒しで行くぞ。土曜は混みさうだし、二時間は最低待合室なので、待つてるあひだに読む本は、……と本棚、押入れ探したけど、どれも続けて読む気になれない。
「パラサイト・イヴ」、「四十七人の刺客」、「ロビンソンの家」、それと息子から「読むかい?」と言つて渡された「ひぐらしのなく頃に」上下巻、読みかけて中断してる「フランドルへの道」などもあり、迷ふんだけど、どれ一つ、けふは読む気にならない。
しかたがないからBookOff経由で病院へ行くことにした。
それで小林信彦の本があつて、ま、いいか、と買ひ、序でに小河君がよく読んでるといふパトリシア・コーンウェルの「検死官」も買ひました。
「検死官」は厚くて活字も小さいから、ちよつと引いてしまひ、小林信彦の本から。
「はじめに」かうある。ベストテン選びは好きぢやない、と言ひ、さういふことは「そこいらのいもコラムニスト、下司評論家のやるものだ」と。
かういふことを言ふこと、そのものが下司だよ。小林信彦はオヨヨ以外にも結構何冊か読んだし、それなりに面白かつたけど、丸谷才一と同じくらゐ「あんた何様」発言だよなあ。
似たやうなことを言つても、吉田健一や植草甚一には腹が立たないのはなぜか。好き嫌ひだけなのかねえ。

2008-08-29

ちよつと談志の話を

しよう、と思つたのは、たまたま昔テレビで見た談志の「二階ぞめき」がDVDで出てたら見たいなあ、とamazonで検索したことから始まる。
この「二階ぞめき」は、いい。
凄く気に入つてゐて、惚れ直したくらゐで、いまamazonのカートにあつて、オレが買える日を待つてゐるワケだが、談志のDVDのレビューを幾つか読んでたら、ロダンの話を思ひ出した。
うろ覚えなんだけど、ジャコメッティだつたか、ヘンリ・ムーアだつたか、個展を開いたらロダンが来て、オレの弟子にならないか、と言ふ。ロダンには、たぶん既にマイヨールともう一人、名前が出て来ないが、ゐたらうと思ふ。要するに、もうロダンは晩年と言ふか、有名だつたワケだ。
そのとき、ジャコメッティだつたか、ヘンリ・ムーアはかう言つて断つたさうだ。大木の下では木は育たない、と。
ま、それは目指してるものが大きく違つてたんだらう。それに特にロダンが好きだつたワケでもないのだらう。偉大な存在ではあつたかも知れないが。
で、談志に戻る。
談志の弟子は談志の芸が好きで仕方がないんだらうなあ。

2008-08-27

丸一年、更に

ちやうど一年まへのけふから、毎朝、体重と体脂肪を計つて記録し始めた。始めは一年の積もりだつたから、けふで止めようかとも思つた。面倒臭いし、体重も体脂肪もそれほど変化してゐない。体重は精々1〜2kgの変動だし、体脂肪も2〜3%の増減。それよりも、ときどき信じられないやうな数字を表示する体重計なので、どこまで信頼していいものか。
それに記録の方法にも問題がある。AppleWorksの調子が今ひとつだ(予期せぬ事情で終了してしまふことがある)から、office for macを使はうかとも思つたが、wordやexcelにの欠点や使ひにくさは職場の窓で知つてゐるので、Neo Officeをネットで手に入れ、calcで表を作り記録することにした。バーの表示もプルダウンメニューも英語、環境設定の表示も英語、それだけでも手間取るのに、Neo Officeは呆れるほど動作が遅いのだ。
毎日血圧を計るといふ億劫な作業もあり、なかなか朝走る時間も取れなくなつてゐる状態だし、──が、少しでも自分の現状は知つてゐたはうがいい、老いるのは自分であり、その先の死を受け入れるのも、この自分なのだ。他人は誰ひとり、自分ほどには「オレ」に関心がないのだから、……と、続けることにした。

2008-08-26

appleのHPは未だにiPhoneG3で

発売が決まつてからだから、一箇月以上になる。噂ではnanoが新しくなるとか(確かにいまのnanoは変な形なので、改善を希望します)、iPod Touchが新しくなる、とか。
iPhoneはほしいけど、田舎では電波状態が悪いやうなので、docomoが参入するかどうかはつきりしたら、考へよう。もともとパソコン代りのインターネット端末がほしかつた。携帯のiモードは不便で不満だつたから、携帯電話と一緒になつたiPhoneに期待したけど、形状が電話としてはどうなのか。いろいろ考へてしまふ。
ノート型Macの快適さ、優れた点を生かして、Airなんて薄型ではなく、A5サイズくらゐのMacBookを出してほしかつたな。システム手帳を使ふ人さへも減るかも。職場で使ふ窓さんのノートはマウスがあつたはうがいいけど、Macのノートはマウスを使ふ必要ないんだから。キーボード・ショートカットも覚え易いし(ファイルを閉ぢる、ソフトを終了する、みんなショートカット)、バッテリーも長く持つし。

2008-08-18

確かにボックス型の座席だつた

hiko8さんの言ふ通りボックス型だつた。最初のところだけ読んだのでは解らない、「雪国」の話で、序でに帰郷する場面といふのを探してみたら、オレの持つてる新潮文庫では71頁のなかほどに「山の裾野が遮るものもなく云々、……河岸へ届こうとするところに、水力電気らしい建物が真白に立っていた。」といふところかな(こんなに引用して著作権侵害にならないだらうか)。確かに北橘村のタンクかも知れないが、トンネルを抜けてから距離が余りないやうな気がするんだけど。水上から湯沢へ抜ける清水トンネルから渋川までは結構あるんぢやないか。このあとで製糸工場の煙突のある停車場で停まる。さうか、高崎か。いや、富岡かな?うーん、渋川かもなあ。北橘のタンクかもなあ。
話は変はつて、鮎川哲也。「死のある風景」について吉田健一が言及してるのは「大衆文藝時評」の昭和三十六年十一月のところ(集英社版著作集第十五巻51頁)で、掲載誌が「オール讀物」になつてゐるんだけど、「死のある風景」は講談社から刊行されてる。「オール讀物」は文藝春秋だから、をかしいな、といふ気がして、ちよつと調べてみたら、どうも最初は中篇で「オール讀物」に載つたやうなのだ。と言ふのは、中篇を長篇にして講談社から出した、と書いてある資料がネット上にあつたから。つまり、吉田健一が読んだ物と同じではない、といふことなんですよ、hiko8さん、ご免なさい。長篇はダメつてことではないです。オレもいま、それを知つたやうなワケで、けふ本屋で見つけて買はうか買ふまいか迷ひ、角川文庫のものを読んでゐるし、先づ「黒いトランク」を読み直してからにしよう、と、やめたので、……。

2008-08-17

ちよつと怖い話

実家でのこと。16日の朝、3時頃に目が覚めた。
小便が我慢出来なくて目が覚めたのか、寒気がひどくて目が覚めたのか、はつきりしない。兎に角、激しい寒気に襲はれてゐた。なのに、蒸し暑くて汗ばんでゐる。目を開けると、なんだか厭な予感がした。なにか見えたワケではないのだが、やばいと思つた。眼鏡が手の届くところにないのも不安を掻き立てる。なにか見えたら、もつとやばいと思つて目を閉ぢて、どうするか考へた。そのとき祖父の顔が浮かんだ。はつきりと笑顔の祖父が見えた。ゐるんぢやないか。お盆で来てゐるんだから、ゐてもをかしくないワケだ。祖父が怖いのではなく、死んだ人の姿を見るのが怖いのだ。目が開けられない。寒気もひどい。オレの布団の周辺に気配を感じる。廊下を行ったり来たりしてるやうな感じがする。小一時間もさうしてゐたらう。尿意が限界に達した。親父とお袋と一緒に寝てゐる娘の部屋以外の凡ての部屋の電気を点け(祖父が使つてゐた部屋は点けなかつたが、この部屋は便所の向かうで開けたままの戸が死角を作るのだ!)、便所の戸を開けたまま、便器の横に立つて背後に常に注意を払ひながら用を足し、素早く電気を消しつつ布団に戻り、目を閉ぢ、寒気に堪へながら5時近くまでじつとしてゐた。
実際なにごとも起らなかつたが、長い2時間だつた。怖い2時間だつた。

2008-08-08

多くを望まず、慎ましく生きよう、と。

まあ、さういふことのやうだ。「エントロピーの法則」を最後まで目を通し(きちんと読んだわけではない)纏めると、そんなところか。先づ、そもそもの「エントロピーの法則」──これは熱力学の第二法則「物質とエネルギーは一つの方向のみに、すなわち使用可能なものから使用不可能なものへ、あるいは利用可能なものから利用不可能なものへ、あるいはまた、秩序化されたものから、無秩序化されたものへし変化する」のことだと言ふ。それが唯一正しい法則であることを踏まへたうへで、これまでの歴史的な世界観の流れを復習しながら例証する。ベーコン、デカルト、ニュートンに代表される機械論的世界観が凡そ400年間に亘つた支配して来たこと、未だにさうなのだが、それがいま破綻しようとしてゐること、自動車、トラック、航空機などの輸送形態が持つエネルギーロス、ゴミ処理のために費やすエネルギーロス、軍事費を増やすことで失業者が増えるといふ矛盾、再生不可能な部品で作られるコンピュータとコンピュータ・テクノロジーの人質と化した──コンピータがエラーすれば身動き出来ない人間、医療機器の導入により個人の医療費負担が増えるといふ矛盾、1分間に28人もの人間が餓死してゐること、世界人口の80%は医療を受けられない状態にゐるといふこと、などなど。それを変へ、人類を救ふのが「エントロピーの法則」による世界観だ、と。副題として「21世紀文明観の基盤」となつてゐるけれども、ここに書かれていることは、概ね70年代のニューエイジサイエンスの焼き直しに過ぎない。思ひつく限りで言へば(その中身を凡て理解してゐるわけではないが)、デビッド・ボームの内蔵秩序、フリッチョフ・カプラのタオ自然学、ルパート・シェルドレイクの形態形成場理論、プリゴジンの散逸構造、更にはユングのシンクロニシティ、アーサー・ケストラーの機械論批判とダブつてゐる。……寧ろ、F・D・ピートの「シンクロニシティ」かライアル・ワトソンを読み返したはうが何倍も何十倍もスリルがあつたらう。
新聞の論説みたいに退屈で読んでて眠くて仕方なかつた。

2008-08-06

朝から雷

まるで親に叱られたみたいな言ひまはし。きのふもさうだつたし、けさもちよつとゴロゴロした。雷はゆふがたのものだつた、むかしは。
話はちよつと逸れるが、5月頃、実家へ帰る近道探しをしてゐた。これまでは単純に国道や県道をとほつてゐたが、より近い経路はないか、と探してみた。却つてとほまわりだつたこともあつた。いまは落ち着いて同じ道をとほつてゐる。もう少し短縮できさうな気がするが、ほぼ一定の時間で行き来できるから。
その途中に「かみつけ信用金庫」といふのがある。群馬は「かみつけのくに」で栃木が「しもつけのくに」だから、栃木には下野新聞といふのがあつて、「しもつけしんぶん」と読む(らしい)。で群馬に「かみつけ信金」、でも初めて見たとき「噛み付け」と読んだね。
朝から雷。
噛み付け信金。
ところで、石川球太は健在。園田光慶は1997年に亡くなつてをりました。1940年生まれなので享年57歳。合掌。
石川球太は確か「シートン動物記」を描いてたと思ふ。wikipediaには出てない。
それと園田光慶は「恐竜王子」つてのを描いてるはずなんだけど。勘違ひしてるのかなあ。amazonで中身検索したら、思つてたよりも、川崎のぼる的な絵なので驚いた。☜wikipediaで見落としてた。先入観だねえ。石川球太が「怪獣王子」を描いてゐたんだ。で、これはテレビドラマのはうが先で、漫画で描いてたのが石川球太。園田光慶は「アイアン・マッスル」「赤き血のイレブン」「あかつき戦闘隊」。

2008-08-03

赤塚不二夫が死んだのだ

イアン・デューリーも死んでゐた。Amazonのレビューで知つた。新しいブーツとパンティと。起きろよ愛人。ドクター・フィールグッドはまだ演つてるかい?ウィリコ・ジョンソン、リー・ブリロー。ブリローも死んだんだつたけ?グラハム・パーカーは生きてる?あの頃、ひとり勝ち的に生き残つてる感じなのはエルヴィス・コステロかなあ。
さう言へば石川球太はどうしてるんだらう。園田光慶、桑田次郎、……。
ゆふべは足利の花火で、娘と近くの公園へ見に行つた。息子はバイトから帰ると、小遣ひをせびり、自転車で町へ繰り出した。
一昨日、仕事の都合で行けなかつたので、ゆふがたちよつと早く仕事を上がらせてもらつて病院へ。一番聞きたかつたこと──薬は一生飲み続けなくてはならないのでせうか?
そんなことはないです。いまの降圧剤は血圧を下げるだけでなく、脳梗塞や心筋梗塞の予防にもなるんです。
と言つて、28日分処方してくれた。
「エントロピーの法則」(ジェレミー・リフキン著、竹内均訳)を読んでる。題名が面白さうだつた。しかし、中身は期待はづれ。いま世界が抱へてゐる問題を解決するのはエントロピーの法則しかない、といふコピーめいたフレーズが繰り返されるのだが、ではその法則を詳しく聞きたいものだ、と思ふと話題がかはつて行く。ときをり現状分析の鋭さを見せるが、目新しさはない。半分くらゐ読み飛ばして来たので、あつちのBlogには書かないから、こつちに書かう。残り2/5くらゐのところで漸く面白くなつたのだ。